2023/06/04 08:00
お酒が体に良い・悪い論争について
東洋医学ではどう考えているのでしょうか。
お酒の持つ性質から
体質に合う・合わないを考えてみたいと思います。

体質別のお酒に対する特徴
〇「気滞」「瘀血」と言われる、
気の巡り・血の巡りが悪い方への少量のお酒は
血行促進や気分をリラックスさせる作用が期待でき
良いとされます。
〇「気血両虚」と言われる
気血が不足気味で胃腸が弱い体質の方は
少量のお酒が胃腸機能を促進します。
〇「陽虚」と言われる
体に冷えがあり下半身が冷たくむくみやすいタイプの方は
ビール以外の適度なアルコールは身体を温めるのに良いですが
飲み過ぎるとむくみが増すので、加減しましょう。
△「陰虚」と言われる
体の潤い不足により体内の熱を冷ます力が弱くなり
相対的に体が熱っぽく傾き、のぼせや乾燥などがでやすい方は
度数の強いアルコールは適しません。
△「痰湿」と言われる、
普段から食べ過ぎで消化不良気味の方は
むくみや肥満を悪化させる恐れがあるためお酒は控えめに。
選ぶならビールを小グラスで一杯程度。
✖もともとのぼせがちで熱っぽい、イライラしやすい「肝陽上亢」
という体質で、さらには高血圧や糖尿病・肝炎・心臓病・
甲状腺機能亢進症などがある方は、持病を悪化させる恐れがあります。
特に焼酎などの蒸留酒は合いません。
小児や妊婦さんはアルコールは禁忌です。
お酒はゆっくり食事しながら飲みましょう。
タンパク質を摂りながら適量に飲むのがベストです。
アルコール種類別の体質に対する特徴
◆ビール
性質:涼(平)
お酒の中では珍しい『涼性』を示し
食事と一緒に少しビールを飲むと食欲が増進されます。
蒸し暑い夏に、食前1杯ほど飲むなら「陽虚」以外の
ほとんどの体質に問題はありません。
原料のホップには利尿作用があり、体の余分な水を排出。
〇「胃腸虚弱」胃腸機能が弱り、食欲不振でお腹に張りのある方の胃腸機能を回復。
※食べ過ぎでお腹が張っている方は適さない
△下痢っぽい「お年寄り」は冷たいビールが
胃腸を冷やす恐れがあるので控えめに。
✖もともと冷え性のある「陽虚」体質の方は
冷たいビールが冷えを悪化させ
強い利尿作用がその弱くなった腎臓をさらに損なうので、
飲まない方が良いでしょう。
◆日本酒
性質:温
〇「気血両虚」で胃腸の弱い方は
清酒を少し飲むと、温性の性質で血行を良くします。
△体内に余分な水分や老廃物が溜まっている「痰湿」体質の方は
水分の多い清酒を飲むと、余分な水分を排出に逆効果になるので
控えめに。
△水分の処理能力が低下しているため「陽虚」の方は
水分の多い清酒は控えめに
◆ワイン
性質:熱
熱の性質が強く、粗悪なワインは毒性が強くなります
◎「気滞血瘀」
△「陰虚」で微熱っぽい
◆焼酎
性質:温
昇る力が強く、飲むとのぼせる作用があります。
△のぼせやすい「陰虚」タイプ
△「気血両虚で胃腸虚弱」、「お年寄り」
✖のぼせやすく、顔が熱っぽい「肝陽上亢」タイプの方は
その症状を悪化させる恐れがあるので控えましょう
◆紹興酒
性質:熱
熱の性質が強く、血行促進作用が強い
出産後の「悪露」の排出に非常に良いとされています。
◎「気滞・血瘀」
△「陰虚」
✖「肝陽上亢」
まとめ
飲酒の適量はお酒によって、人によって異なるのは
いうまでもありませんが
お酒が自分の身体にどのくらいダメージを与えているのか
自分ではなかなか判断しずらいです。
一般的には、体重60キロとすると
1時間当たり6~9gのアルコールが分解できるとされています。
お酒を禁止されていない方は、
日本酒なら、1日2~3合といったところです。
個人的には、
次の日の排便も排尿もいつも通り正常
顔色も良く、食欲正常
眠気やダルさもなく活動できる
この状態なら問題ないと思いますが
何か一つでも気になることがあれば
お酒の種類や量、飲み方を見直してみてほしいです。
何事も
過ぎたるは及ばざるがごとし
ですので、十分に気をつけてお酒と付き合ってください
最後までお読みいただきありがとうございます
eat kampo Miyu